スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告
聖書に由来する英語のイディオム(7)
イディオムその7 By the Skin of Your Teeth

 このイディオムは、英和辞典を引くと、「かろうじて」、「危ないところで」と訳されています。ODE (Oxford Dictionary ofEnglish)には、次のような用例が載っています。
I only got away by the skin of my teeth.
       (かろうじて逃れただけだ)
 実は、このイディオムは聖書で使われている意味とは全く違う意味になってしまっています。New International Versionの英訳と、新改訳聖書を読んでみましょう。
I am nothing but skin and bones;
I have escaped with only the skin of my teeth. (Job 19:20)

私の骨は皮と肉とにくっついてしまい、
私はただ歯の皮だけで逃れた。(ヨブ19:20)
 英訳の1行目の、"nothing but"の"but"は"except"(~を除いて)と言う意味ですので、1行目を直訳すると、「私は皮と骨を除けば何もない」となり、「私は骨と皮だけになってしまった」という意味になります。ヨブの苦難があまりにも大きく、すっかりやせ細ってしまったことを表わします。
 2行目の日本語訳は、英訳と逐語訳的に対応しています。ヨブはすべてを失い、彼に残されているものは「歯の皮だけ」なのです。「かろうじて」逃れた、という意味ではないことは明らかですね。

 次回からはイディオムではなく、何か聖句を選んでご紹介したいと思っています。最近は更新が一週間に一回程度になってしまっていますが、お付き合いいただければ、大変うれしいです。
スポンサーサイト

テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/27 21:39】 | イディオム | トラックバック(0) | コメント(2)
聖書に由来する英語のイディオム(6)
イディオムその6 a (the) Fly in the Ointment

"a (the) fly in the ointment"は直訳すると、「軟膏の中のハエ」になります。これは、「成功や楽しみをぶち壊しにする小さな欠点」のことで、「玉にきず」に近い意味です。このイディオムの出典は、旧約聖書の『伝道者の書』です。

As dead flies give perfume a bad smell,
so a little folly outweighs wisdom and honor.(Ecclesiastes 10:1)


死んだはえは、
調合した香油を臭くし、発酵させる。
少しの愚かさは、知恵や栄誉よりも重い。(伝道者10:1)


上記の英訳はNew International Versionのものです。1行目の"perfume"(香水、香料)は、別の英訳バージョンでは"ointment"と訳されているようです。また、「調合した」と「発酵させる」に当たる表現が英訳にはありません。これは訳し忘れたのでしょうか。ヘブル語の原文と照合して確認したいところですが、残念なことに、私はヘブル語を知りません。

ここで、"perfume"または"ointment"の中の「死んだはえ」(dead flies)は、「少しの愚かさ」(a little folly)のたとえであることは明らかです。2行目の"outweighs"は日本語訳では「重い」になっていますが、これは適訳だと思います。この文脈から考えると、現在使われている"a (the) fly in the ointment"というイディオムは、もともとの意味とはかなり違うことがわかります。

聖書に由来する英語のイディオムが、もともとの意味とはかけ離れた意味になってしまっている例はほかにもあります。次回はそのようなイディオムをご紹介したいと思います。

テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/20 22:16】 | イディオム | トラックバック(0) | コメント(0)
聖書に由来する英語のイディオム(5)
 イディオムその5 A Labor of Love

 "a labor of love"というイディオムは、"a task done for pleasure, not reward(報酬のためではなく、喜びのためにする仕事、つまり好きでする仕事)"という意味で、次のような使い方をします。

 Writing this book has been a great pleasure, a true labor of love.
この本を書くことは、大きな喜びで、(お金のためではなく)本当に好きでした仕事だった。

 この表現は、新約聖書の「テサロニケ人への手紙 第一」に出てきます。

We continually remember before our God and Father your work produced by faith, your labor prompted by love, and your endurance inspired by hope in our Lord Jesus Christ. (1 Thessalonians1:3)

絶えず、私たちの父なる神の御前に、あなたがたの信仰の働き、愛の労苦、主イエス・キリストへの望みの忍耐を思い起こしています。 (1テサロニケ 1:3)

 「信仰の働き」は、英語の該当箇所を直訳すると、「信仰によってもたらされた働き」で、信仰は当然行動に結びつく、ということです。今回のイディオムのもとになっている表現である、"your labor prompted by love"は「愛の労苦」と訳されていますが、"prompt"は"cause or bring about"、つまり「引き起こす」という意味ですので、少し変な言い方ですが、「愛の結果、もたらされた労苦」ということになります。「主イエス・キリストへの望みの忍耐」も少しわかりにくい日本語ですが、英訳を参照すると、「主イエス・キリストに対する望みによって生じた忍耐」で、新改訳聖書の注釈によると、「イエス・キリストの来臨を希望を持って待ち望むことから生じる忍耐」だそうです。

 "a labor of love"は、見返りを求めてする仕事ではなく、隣人に対する愛もしくは神に対する愛のために、喜んでする仕事、というのがもともとの意味だったのでしょう。

テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/11/15 22:08】 | イディオム | トラックバック(0) | コメント(0)
聖書に由来する英語のイディオム(4)
前回予告したとおり、今回は、イエスの教えに由来するイディオムを取り上げます。

イディオムその4 turn the other cheek

Oxford Dictionary of English (ODE)でこのイディオムを調べると、"refrain from retaliating when one has been attacked or insulted" (攻撃されたり侮辱されたりした時に、報復しないこと)と定義されています。"refrain from"は、「意図的に、何かをしないことに決める」という意味です。

このイディオムの出所は、新約聖書の「マタイの福音書」です。この福音書の5章から7章は、「山上の垂訓」または「山上の説教」と呼ばれている、非常に有名な箇所ですが、その中でイエスは次のように述べています。

You have heard that it was said, "Eye for eye, and tooth for tooth. " But I tell you, Do not resist an evil person. If someone strikes you on the right cheek, turn to him the other also. And if someone wants to sue you and take your tunic, let him have your cloak as well. If someone forces you to go one mile, go with him two miles. Give to the one who asks you, and do not turn away from the one who wants to borrow from you. (Matthew 5:38-42)



『目には目で、歯には歯で』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。求める者には与え、借りようとする者は断らないようにしなさい。(マタイ5:38~42)



旧約聖書に出てくる、"eye for eye, and tooth for tooth"は、前回ご説明したように、無制限報復に制限を加えるために定められたおきてでした。しかし、イエスは反目や争いを終わらせるために全く別の道を示された、と「新改訳聖書」の注解に書いてあります。それが、"turn the other cheek"なのです。

この教えはしばしば誤解されるようで、ある人はこれは「奴隷の道徳」だと著書に書いていました。確かに、相手を怖れるあまり手向かわず、頬を打たれても怒りを抑えて黙って耐え忍ぶ、というのなら「奴隷の道徳」かもしれませんが、"turn the other cheek"はそのような受身の態度ではなく、「自分の意志で、そうすることに決める」というかなり積極的な姿勢です。普通の人間なら、頬を打たれたら怒って殴り返すでしょうが、怒ることも殴り返すこともせずに、そして相手を怖れずに左の頬を向けるには、非常に強い意志と勇気が必要なのではないでしょうか。

同様に、下着を取ろうとする者に、逆らうと怖いと思ってただ取られるに任せるのではなく、上着もやり、1ミリオン(約1500メートル)行け、と言われたら、ただ唯々諾々と従うのではなく、2ミリオン行くことも、能動的な決然とした行為で、非常に強い意志が必要だと思います。

次回は、「山上の垂訓」の最初の部分、「至福の教え」を英語と日本語で読みたいと思います。これは、英語で読むほうがずっと分かりやすいと思います。どうぞお楽しみに。

テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/10/26 22:19】 | イディオム | トラックバック(0) | コメント(1)
聖書に由来する英語のイディオム(3)
今回と次回はイディオムを扱いますが、その後は少し気分を変えて、英語で読んだほうが理解しやすい聖句を探してご紹介する予定です。ただ、聖書に由来する英語イディオムはまだまだたくさんありますので、しばらくしたらまた、少しずつご紹介したいと思います。

イディオムその3 an eye for an eye and a tooth for a tooth

「目には目を、歯には歯を」という非常に有名な表現で、「同害報復」と呼ばれるものです。ハムラビ法典にも同様な条項がある、と遠い昔に高校の世界史で習いましたが、旧約聖書に出てくる言葉として有名です。広辞苑を見ると、「害を与えられたら、それに相応する報復をすることのたとえ」とあり、「やられたらやり返せ」のような、復習を奨励する言葉だと思われがちですが、実はそうではないそうです。

旧約聖書の「出エジプト記」(Exodus)の21章23~25節には次のように書いてあります。

But if there is serious injury, you are to take life for life, eye for eye, tooth for tooth, hand for hand, foot for foot, burn for burn, wound for wound, bruise for bruise.



しかし、殺傷事故があれば、いのちにはいのちを与えなければならない。目には目。歯には歯。手には手。足には足。やけどにはやけど。傷には傷。打ち傷には打ち傷。



これは、神がイスラエルの民に、モーセを通じて告げた律法の一部です。新改訳聖書に付いている注解によると、これは「人間の心の奥底にある無制限報復に対して制限を加え、同量の報復をもって満足すべきことを規定したもの」だそうです。三浦綾子氏の『新約聖書入門』では、このことがもう少し分かりやすく説明されています。つまり、目を傷つけられたら激しい憎しみに駆られ、相手の命まで取ろうとするものだが、目を取られたら、相手の目を取るだけで勘弁してやりなさい、という復讐を制限するおきてだということです。

新約聖書でもイエスがこのおきてに言及していますが、イエスはこのおきてとは違うことを教えています。その教えに関連するイディオムを次回は取り上げます。

テーマ:英語 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/10/24 21:43】 | イディオム | トラックバック(0) | コメント(0)
next→
英語と日本語で聖書を読む


英語の聖書と日本語の聖書(新改訳)の両方について、私なりに理解したことや、聖句によって教えられたことなどを書いていくつもりです。読者の皆さんにとっては、英語の勉強にもなると思います。

プロフィール

crape myrtle

Author:crape myrtle
企業の英語研修や、成人対象の英会話クラスなどの講師をしています。2006年の4月から本格的に聖書を読み始めました。聖書は英語で読んだほうが日本語で読むよりも理解しやすい場合が多いような気がします。

最近のコメント

最近のトラックバック

リンク

このブログをリンクに追加する

最近の記事

クリック募金

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング

内容がお気に召したら、押してください。

FC2ブログランキング

FC2カウンター

カテゴリー

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。